メモリーを正しく選ぶ

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最近のノートパソコンはメモリーを増設できない物も増えてきましたが、ゲーミングノートやデスクトップパソコンでは、まだまだ増設して使うケースも少なくありません。今回は、適切なメモリーを自分で選択するための方法を説明します。

まずはパソコンの仕様を確認

まず最初にパソコンが対応しているメモリー仕様を確認します。メモリを買い急ぐ前に必ず確認しましょう。買ってから動かない、装着できないなんて事にならない様に。

メモリモジュールについて

パソコンやスマホに使われるメモリーはDRAMと呼ばれる半導体記憶素子が使われています。

複数のDRAMを基板上に並べて容量を大きくしたものをメモリモジュールと言い、パソコンに内蔵しています。(最近の薄型ノートパソコンなどはメモリモジュールを使わないケースも多いですが。)

形状から見たメモリモジュールの種類

パソコンに使われるメモリモジュールには基板の形状から大きく分けて、以下の2種類があります。同じ規格や容量のメモリーでも形状が異なるため、メモリーを選ぶ時には注意が必要です。

DIMM (Dual Inline Memory Module)

主にデスクトップパソコンに利用されています。

SO-DIMM (Small Outline DIMM)

主にノートパソコンやミニPCに利用されています。最近ではデスクトップパソコンも小型化が進んでいるため、SO-DIMMを利用している物もあります。

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仕様表の見方

まずは某メーカのノートパソコンの仕様表を例として項目に分けて説明します。(デスクトップパソコンでも大きく違いはありません。)

メモリ標準容量
16GB 部分

このメモリの総容量を示します。

この値が大きければ大きいほど容量が大きくパソコンが快適に動作します。一方でパソコン自体の価格にも反映されてきます。

(8GB×2 / デュアルチャネル) 部分

総容量16GBのメモリが、2枚の8GB SO-DIMMから構成されている事を示します。

デュアルチャネルとは、この2枚のSO-DIMMを並列に配置し2倍速となる様に構成しているという意味です。DIMMは通常、CPUと通信するための信号の通り道が64本あります(メモリーバス幅が64bit)。2枚を並列に置くことによって、64bit x2=128bitのバス幅で通信させる事ができ、CPUが一度にやりとりできる情報量を増加させる事ができます(道路に例えると1車線と2車線の違いです)。

次を見てみましょう。

スロット数/最大容量/メモリ形状
2 (空き×0) 部分

SO-DIMMはスロットと呼ばれる挿入口に装着します。このパソコンにはスロットが2個ある事を意味していますが、その2個が既に使われており空きが無いことを示しています。つまり物理的にこれ以上のメモリ増設ができないという意味になります。メモリ増設は少なくとも空きスロットが1個以上あることが必要です。

最大64GB (32GBx2)

対応するメモリーの最大容量が64GB(32GBのSO-DIMMを2枚)である事を示しています。先に書いた通り、このパソコンは既に空きスロットが埋まっていますが、それを取り外してより容量の大きい物に載せ替えれば、64GBまでは動作するという意味です。但し1スロットあたり32GBまでに制限されます(1スロットに64GBのSO-DIMMを装着することはできません)。

SO-DIMM

このパソコンが対応するメモリーモジュールの形状はSO-DIMMである事を示しています。

最後に、メモリの規格について。

メモリ動作
DDR4-3200

対応するメモリーがDDR4という規格で、3200は動作速度を示しています。

メモリー規格は技術の進化と共にSDR、DDR、DDR2、DDR3、DDR4、DDR5という具合に規格がアップデートされてきました。規格が新しいほど高速化が図られていますが、各規格で互換性はありません。また同じSO-DIMMでも形状に違いがあり、スロットへ誤挿入できない様になっています。

動作速度の数値は値が大きければ大きいほど高速に動作しますが、このパソコンは3200までという意味です。DDR4の場合、3600や4266といった物が存在しますが、その様なメモリーを装着しても3200までの速度に制限されます。逆に2666や2400といったメモリーを装着すると性能に影響を及ぼすことになります。更に大きく速度の違う物を装着した場合は動作しないケースもありますので、規格に合ったメモリーを選ぶことが必要です。

なお、正確にはDDR4-3200という表記はDRAMチップの規格であり、メモリモジュールとしてはPC4-25600と記載されるのが普通です (この場合の25600についても速度を示しており、例えばDDR4-3600の場合はPC4-28800と記載されます)。

メモリ増設ができない例

先に説明した通り、ノートパソコンではメモリ増設できない物があります。メモリを買ってしまう前に必ず仕様を確認しましょう。増設できない物は仕様表は以下の様な記載になっています。

このオンボードという意味は、パソコンにメモリースロットが無く、パソコンのメイン基板にDRAMを直接載せている事を意味しています。またメモリ規格がLPDDR5と記載がありますが、これはLowPowerのDDR5という意味で、消費電力が低いDDR5規格のDRAMです。

ノートパソコンですのでバッテリーを持たせる為に消費電力の小さいDRAMが使われる様になっていますが、元々スマホやタブレットに向けたモバイル用途のDRAMという事もあり、DRAM単体で使われるのが主流です。

購入する際に気を付けること

メモリーはパソコンにとって非常に重要な部品です。この品質がパソコンの安定性が決まるといっても過言ではありません。使っていて突然動作しなくなったり、パニックスクリーンになると大変ですよね。

購入先に気を付ける

メモリーモジュールは様々なところで販売されています。通販サイトやフリマアプリでも多く出品されていますよね。基本的に注意しなければいけないのは、例え大手のブランド品であっても偽物が流通していることです。これらの偽物の多くは海外で製造、販売されている物ですが、残念ながら国内にも入ってきているのが実態です。

具体例を挙げると、メモリモジュールの速度よりも遅いDRAMを搭載していたり、DRAMメーカやPCメーカが不良品として廃棄した物を販売していたり様々ですが、こういった物を買ってしまうとパソコンが動作しなくなったり、最悪は保存しているファイルやアプリを破壊してしまうこともあります。

従って、購入するのは多少高くても実店舗やそのECサイト、通販サイトであれば正規代理店、評価の高い信用できる店舗を選び、無償で返品保証をしている所を選ぶのが大切です。

購入後はメモリテストが鉄則

購入後、本格的に使う前にメモリーテストを実行しましょう。テスト方法は様々ですが、Memtest86+というフリーのツールを使い6時間程度実行させます。これでエラーが発生しなければ問題無いと考えてよいでしょう。(使い方はググってくださいね。)

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