2025年10月にWindows10のサポートが終了するらしい。終了すると言われても。。
サポート終了の意味するもの
Windows10に限らず、これまでもマイクロソフトはOSを段階的にサポートを終了し、新しいOSへの移行を促してきた。Windows10の前にはWindows8.1、Windows8、Windows7・・
基本的にサポートが終了すると、不具合の対策は勿論のこと、セキュリティアップデートの配信も停止される。分かりやすく言うとWindows Updateでの更新が止まってしまうのだ。これによって、今まで普通に使えていたパソコンが突然使えなくなったりはしないが、そのまま使い続けると危険な状態に晒されてしまう。
勿論、インターネットや家庭内ネットワークから完全に切断し、USBメモリなども使わない、新しいソフトウェアはインストールしない等の様に使い続けるのであれば、そのまま使用することによるリスクは低い。ただ家庭用のパソコンでこの様な使い方をする事は少し考え難いだろう。
とにかく、Windowsパソコンを使い続ける以上、ユーザ側で何らかの対応策を打つ必要があるのだ。
どうすればいいの?
これにはいくつか方法があるが、最もカンタンなのはパソコンを買い直す事。2025年現在で販売されているWindowsパソコンは、全てWindows10の後継OSであるWindows11に対応している。Windows10の最初のバージョンがリリースされたのは2015年だから、その世代に購入したパソコンであれば、さすがに買い直しをお勧めする。
ただ、それでも性能的に不満がないという方や、ハードウェアが気に入っており買い替えは嫌という方もいるだろう。(因みにウチの嫁はPanasonicのLet’s note RZ6を使っている。性能的にはともかく、軽量でコンパクトなハードウェアに思い入れがある様だが、RZシリーズは既に打ち止めになっているため代替となるパソコンが無く困っている。)
Windows11の動作条件
もう1つの方法として、OSだけをWindows11にアップデートする方法がある。この方法を取る方も多いと思うが、以下の様なハードウェア側の条件がある。
- 1. CPU
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動作周波数1GHz以上、且つデュアルコア以上の64bit CPUで、Intel CPUであれば第8世代以降、AMD CPUであればRyzen2000以降のCPU。
- 2. メモリ容量・ストレージ容量
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メモリは最低4GB以上、ストレージは最低64GB以上。
- 3. ファームウェア
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UEFIおよびセキュアブートに対応。
- 4. TPM
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TPMバージョン2.0以上に対応するセキュリティモジュールが必須。
- 5. グラフィックスカード
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DirectX 12以上をサポートすること。
- 6. ディスプレイ
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9インチ以上、8bitカラーの高解像度(720p)ディスプレイ。
自分のパソコンが条件に当てはまるかどうかの確認が必要だ。これを満たしていれば、Windows11へのアップグレードは可能。よく分からない方は「Windows PC 正常性チェック」というアプリを使うと良い。
これはWindows10に入っているはずだが、入っていなかったらググってMicrosoftのサイトからダウンロードをすると無償で入手できる。実行すると、そのパソコンがWindows11に対応しているか確認してくれる。
キーはTPM・ファームウェア
ハードウェアで引っかかるのはCPU、TPM、ファームウェアのいずれか。中でもTPMとファームウェアがキーとなっている事例が多い。
これはCPUが対応していても、TPMが搭載されていなかったり、ファームウェアが古いBIOSという仕組みで動作しているケースがあるからだ。
これらの機能は、Windows10では必須条件ではなかった為に古いパソコンではサポートしていないケースが多い。或いはハードウェアとしては機能が備わっていても、初期状態として無効化されているケースがある。
もし既にファームウェアがUEFIで動作していてTPMだけが無効になっているなら、これを有効にしてみるという手がある。注意点はUEFIで動作している事が最低条件。まず最初にこの確認をする。
UEFIの確認方法
スタートメニューを右クリックして、「ファイル名を指定して実行」を開き、”msinfo32”と入力しOKを押すと、システム情報というウインドウが開く。この中の”BIOSモード”がUEFIになっていて、”セキュアブートの状態”が有効になっているかを確認する。共にその様になっていれば、ファームウェアはWindows11の動作条件を満たしている。
TPMの状態を見てみる
ファームウェアの設定が問題無ければ、TPMの設定を見てみる。これはUEFIの設定を開く必要があるが、パソコンによって操作方法が異なるため、取扱説明書を参照して設定画面に入る必要がある。一般的には電源を入れた直後にメーカーのロゴが一瞬表示されるタイミングで、DELキーかF2キーを連打することで入れる場合が殆どだ。
設定画面に入ったらTPMの設定を探す。パソコンによって設定する場所が違うので一概に言えないものの、多くは「Advanced」や「Security」、「Trusted Computing」などのメニューの中に入っている。その中からTPMの設定を探し「Intel PTT」や「fTPM」、「dTPM」などの部分を見つけ有効(Enable)に設定後、保存し再起動する。
なお「PTT」と「fTPM」は同じ意味で、CPUやチップセットに内蔵しているTPMを指している。「dTPM」は専用の半導体チップで実現している物になり、ビジネス向けPCに搭載される例が多い。いずれにしてもどれかのTPMを有効にして、Windows10を起動してみる(なおdTPMの場合、古いパソコンではTPM2.0に対応していない場合があり、有効にしてもWindows11の動作条件には該当しないので注意)。
同じく設定画面でブートモードの設定があるが、これはUEFIになっているはずだから、触らないこと。また先のUEFIの確認でブートモードが ”レガシー”になっている場合、この設定はLegacyとかCSMという設定になっているはずだが、無理やりUEFIに切り替えると、OSが起動しなくなるので変更しない。
再度、正常性チェックを実施
Windows10が起動したら、もう一度正常性チェックを実行してみる。「このPCはWindows11の要件を満たしています。」の表示がされたら無事解決。されなかったら、パソコンの購入を検討せざるを得ないだろう。
先の設定でブートモードがLegacyやCSMになっている場合、UEFIでブートできる様に起動ディスクのパーティション設定を変更するという事もできるが、誤操作でデータが消失するリスクもあり、特に初心者の方にはお勧めできない。よってここでの説明は控えさせて頂きたい。
もう一つの案
これは全く異なる方法だが、常時通電のサーバなどが自宅にある場合は、そこにWindows11を入れておき、これまで使っていたパソコンからリモートデスクトップで接続するという方法もある。この場合は、クライアントとなるパソコンが直接インターネットに接続できない様にネットワーク設定を工夫する必要があるが、どうしてもこれまでのパソコンを使い続けたい場合はこの様な方法も試してみると良いだろう。