最近はゲーミングPCやタワー型パソコンを組んで、グラボ1枚でマイニングをやっている人も多いみたいですね。いまの収益性を考えるとグラボを正しく選べばこれでも普通に利益が得られると思います。でもワットパフォーマンスを追求する場合は1枚の高性能なグラボより、低性能でも低消費電力なグラボを複数枚利用した方が良いのです。
グラボ以外の消費電力を考える
マイニング用途でグラボを選ぶ時にはハッシュレートと消費電力について調べますよね。例えばRTX3090でDaggerHashimotoを使った場合、NiceHashでの予測では285Wで120MH/sとのこと。
このグラボを1枚だけ普通のパソコンに装着してマイニングを始めた場合、グラボの電力である285Wに加えてマザーボード、CPU、メモリ、DISK、FANなどグラボ以外の消費電力が加わります。これらの電力はハードウェア構成によって異なりますが、およそ90W前後と仮定すると、合計375Wの電力になります。
でもグラボマイニングにおいて、この90Wはハッシュレートの向上に何も貢献しない電力です。1枚のグラボでマイニングするということは、この無駄な電気代を1枚での収益から負担することになります。
枚数を増やして無駄な電力を分散
結論から言うと、このコスト負担を複数枚のグラボに分散させましょう。
RTX3090 1枚のハッシュレート(120MH/s)と同じ性能が得られる様に、より消費電力が低いグラボ複数枚に置き換えることを考えます。例としてGTX1660Tiでは消費電力60W、ハッシュレート30MH/sですのでこれを4枚準備すると240W、120MH/sのリグが完成します。
これにグラボ以外の消費電力である90Wを加えると330Wになります。RTX3090を1枚で構成したPCの場合は375Wですから、同じハッシュレートが得られながら45Wもの電力を節約できることになります。リグは何カ月も何年も動かすわけですから、この差は大きいですよね。
余談ですが2021年春時点でRTX3090の実勢売価は約30万円!、これに対してGTX1660Tiの実勢売価は約5万円(これもどうかと思いますが・・)、4枚購入しても約20万円です。つまりRTX3090よりも10万円も安価にワッパが良いマイニングリグを作ることができます。
利益追求でなければゲーミングPCでもOK
こう考えると、いまのグラボ調達難の中でRTX3000シリーズを探し回ったり、法外な価格で買ったりするのではなく、手に入りやすい少し前のグラボを何枚か購入してリグを構築するのも良いかもしれません。初期投資リスクを抑えるという意味でも。
一方、ゲーミングPCなどグラボ1枚の環境でマイニングするメリットはやはり気軽にできる点。それほど利益を追求しないのであれば、グラボによってはある程度の収益が得られます。とは言っても、この場合もグラボ以外の電力を含めた総消費電力を把握した上で、装着するグラボのワッパでどれだけ回収できるか(又は赤字にならないか)の確認はしておくべきです。赤字にならない事が確認できたら普段使いの空き時間にちょっとお小遣い稼ぎという感覚で廻しておくのも良いでしょう。