LHRでマイニングは終焉に近づく?

最近アキバのショップにグラボの在庫が復活してきた。少し前にnVIDIAがLHR(Low Hash Rate)版のGPUをリリースした効果が現れてきたのかもしれない。それでも以前の価格帯から考えるとまだまだ高価なのは変わらないが、ゲーマーにとっては少しホッとしているかも。

LHR版の功罪

LHR(Low Hash Rate)とは、Ethashなどのイーサリアム系のマイニングを行うアルゴリズムをグラボが検出したら、敢えてハッシュレートを半分に抑える機能。マイニングをやる者にとってはとんでもない機能だ。

当然ながらLHR版のグラボはワッパが低下するので、マイニング目的のグラボ購入を抑制する効果があり、本来の用途(例えばゲーム)で購入しようとするユーザを守ることができる。nVIDIAとしてはグラボに導入した様々なテクノロジーによる新しい体験を広くゲーマーに普及させるべく導入に踏み切ったらしい。因みにAMDはこういった事はやっていない。

一方、マイニング用としてはCMP(Cryptcurrency Mining Processor)という、マイニングに特化したプロセッサを投入、マイニングをやる人はこっちを使ってね、という方針を打ち出している。

ゲーマーを守るというnVIDIAの方針は否定しないが、nVIDIAの素晴らしいコンピューティングパワーをどの様に使うかは購入したユーザの自由だ。チップ供給者が自らのマーケティング戦略のために、処理に応じて性能調整するということが許されるのか甚だ疑問だ。

意図的に性能調整されるなら、例えば競合であるAMDのマザーボードにグラボを装着された場合に性能を落とすとか、AMDが優位なベンチマークソフトに対して処理を最適化してスコアを高く見せるとか、GPU業界の雄であるnVIDIAがそんな事をやるはずもないが、LHRはそんなことを想像してしまう。(大昔、某ベンチマークソフトでインテルとAMDとの間で似たような事があったことを思い出した。)

ところで、CMPは一般の小売店で販売しているのを未だ見かけない(アキバだけかな?)。nVIDIAのリリースによると認定パートナーを通じて販売されるとのことだが・・。

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LHR版はマイニングには使えない?

NicehashのサイトでオリジナルのRTX3060Tiと、LHR版のRTX3060Tiでハッシュレートを確認してみたところ、オリジナル版は60.5MH/s、LHR版は30.2MH/s。本当に半分になっている。

これだとLHR版を購入する意味もないし中古のGTX1070でも十分。でも収益自体は$3.07/day(EL.cost $0.2, 2021/8現在)となっている。オリジナル版が$3.96/day(同条件による)だから、それなりに稼げている様だ。

調べてみると、LHRにより制限を受けるDaggerHashimotoは殆ど利用されていないものの、KawpowとAutoLykosというアルゴリズムが頑張っている。最近nVIDIAのGPUについてハッシュレートを追っていなかったから、AuroLykosは知らなかったが、ERGOという通貨を掘っているみたいだ。nVIDIAの良いところはこうやっていろいろ掘れるところなんだよね。

以下がLHR版のRTX3060Ti (クリックで拡大)
DaggerHashimotoは幕引き。収益の殆どをKawpowとAutoLykosで叩き出している。

 

 

 

 

 

 

 

次にオリジナルのRTX3060Ti(クリックで拡大)
相変わらずDaggerHashmotoが強いが、AutoLykosもたまに使っているみたい。

 

 

 

 

 

 

オリジナルのRTX3060Tiまでとはいかないが、LHR版も全く別のアプローチで何とか収益性を確保できるレベルにある様だ。これはRTX3070でも同様の傾向が見られた。

そろそろETHも・・・

イーサリアムはこれまでのPoWからPoSに移行される予定だ。2022年には移行するという見方もある。これは大量に電力消費するマイニングからの脱却をするために必要とされており、いまの様にイーサリアムを掘り続けることにもいずれ終わりが来ることを意味している(正確にはEthHashで掘れる通貨はイーサリアムだけではないので完全に終わりではないが・・)。

他の通貨を掘ることを念頭に、今後はグラボの買い替えを考えていくとして、やっぱり次の選択枝はいろいろ掘れるnVIDIAにした方が賢明なのかな。

 

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