マイニングのためのグラボを考える

仮想通貨のマイニングで最も重要なパーツといえばグラフィックスボード(グラボ)。1枚ウン万円もするカードを何枚も搭載するのが普通だから選定は慎重になってしまう。

ただでさえグラボを使ったマイニングは収益が出ない、終わったなどと世間では言われている中でこれからマイニングを始めようっていうモチベーションがなかなか高まらないのも事実。

これから始めようと考えている方、逆にもう止めようって思っている方に向けて、現在のマイニングの実態と僕の続けてきた経緯を紹介していこう。

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ハッシュレート vs ワッパ

マイニングをする以上、ハッシュレートが稼げるグラボに目が行きがち。新しいGPUなんかが出るとすぐに海外のマイニングサイトなんかでハッシュレートのレビュー記事を確認。

でも日本でマイニングをやるならワッパ(ワットパフォーマンス)重視でしょうって、Power Limitを絞った時の消費電力も確認して、おっこれはRTX2080Tiよりハッシュレート落ちるけどワッパはいいぞとか、そういう視点で選んでいく。

かくいう僕もこの数年間はこの繰り返し、本当に様々なグラボとの出会いと別れを繰り返してきた。ある時はやっぱり忘れらなくて復縁(再購入)したり。試行錯誤の連続だった。

グラボマイニング冬の時代を経て・・

2018年に仮想通貨バブルが弾けた時から2019年までの間はグラボを使ったマイニングはまさに「冬の時代」だった。マイニングリグを動かすための電気代がマイニング報酬を上回る時期が続く中、多くのマイニング参加者が撤退していった。

一方で僕はというと、グラボを買い替えながら細々とマイニングを続けてきた。もちろん赤字になることは承知の上、少しでもワッパの良いグラボを探し赤字幅が小さくなる様に、またそれによって妙な喜びを覚えつつ、いつか報酬として得られるビットコインの相場が反転することを期待して耐えていた。

こんな事を繰り返していたある日、あるグラボを購入してからワッパ至上主義だった僕が少しだけ考え方を変えることになった。

何のためにマイニングをやっているのか

少しでも効率の良いグラボを求めていた矢先、nVIDIAからGTX1660Tiが発表された。

それまでワッパが優秀と評判だったRTX2070を6枚でリグを組んでいたのだが、それでも電力的に苦戦していた僕はとあるマイニングレビュー記事でこれを知りすぐにポチり。

グラボ到着後、はやる気持ちを抑えながらリグに取付け、PLを絞りながらハッシュレートが最大化するポイントはどこか半日程度の実験を行った。その結果、DaggaerHashimotoの動作時に消費電力 90Wで約30MHzが 出ることがわかった。RTX2070は消費電力130Wで約40MHzだったので優秀だ。

でも、結論から言うとGTX1660Tiは即日売却してしまった。

確かにワッパはRTX2070よりも優れている。6枚全て入れ替えると消費電力は単純計算で240Wも差が出ることになるため、これまで赤字だった収益もトントンくらいまで戻せることが予想できた。

と同時に報酬も3/4になってしまうことの意味を改めて考えた。消費電力が低下するのだから報酬も低くなるのは当然だよな、って考えることに違和感を感じてきた。これまでワッパの事ばかり気にし過ぎて、自分は何のためにマイニングしているのか見失っていないか、収益がトントンであればOKなのか?と。

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マイニングを始めた頃は、仮想通貨を自分のパソコンで産み出す事にロマンというか夢を感じていたはず。当時は仮想通貨の相場も右肩上がりだったこともあり、ワッパを犠牲にしてもハッシュレートを上げて短期間に多くの報酬を得ようと夢中だった。

その当時と現在では相場も環境も大きく変わっていて、何もかも慎重にならざるを得ないのだが、それにしても電気代と報酬額がイーブンで何となく「合格」っていう感覚は何かが間違っている。マイニングを始めた頃の原点に戻るべきという思いが高まってきた。

とにかくガンガン掘りまくる方針に変更

ビットコインを含め仮想通貨は全体的に相場の変化がとても速いのが特徴。だからいま少しくらい赤字でも相場反転すればすぐに取り返せる、むしろ相場反転時に通貨を持っていない事の方がリスクだよねって自分で言い聞かせて、どうせ赤字なら思いっ切りハッシュレートを上げ、とにかく今のうちに少しでも多く報酬を得ておこうという方針に変更した。

だからグラボもRTX2080に変更、PLも絞りすぎない状態でハッシュレートを常に高めに設定した。これが数年後に吉と出るか凶と出るかはわからないが、いまは徹底的に通貨を貯め込むことで将来の相場上昇に備えることにした。こう考え始めると不思議なことに気が楽になったというか、マイニングそのものが再び楽しいと思える様になってきた。

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最新グラボのチェックと更新は定期的に

マイニングを初めてから数年経った。自分なりの結論としては新しいグラボが出たらハッシュレートをチェックしてできるだけ速やかに入れ替える。ワッパが同じ程度ならよりハッシュレートが高い物を導入する。

まぁこう言ってしまえば身も蓋もないのだが、なんだかんだ言ってもグラボって技術進化が早いデバイスであるし、同じ価格帯や消費電力でハッシュレートがアップする方向に改善されていく。長く使っても2年で買い替えるべきだろう。予算上の課題も大きいが、短いサイクルで売却と購入を繰り返すことでリセールバリューが維持できるので、案外と懐を傷めずに廻せるなというのが個人的な感想だ。

楽しければ全てよし

マイニングは設備投資の分だけマイナスから始まるのが現金投資と異なる点。だから普通の投資の一環として見るとこんなにリスクのある投資は無いと思う。

ただ自分の知識を総動員して電力効率を上げたり、グラボを見直したりなど工夫次第で収益が変わる点に楽しさを見い出せるなら、例え赤字続きだとしても趣味の1つとしてモチベーションは維持できる。自分もその1人なので続けているわけだが、これから始めようかどうか迷っているならこの点を考えてみると自ずと結論が出ると思う。グラボの購入に走る前にちょっとだけ考えてみると良いだろう。

 

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